今回は、流産手術後に半年間不妊治療をお休みした話や、友達と疎遠になった話、不妊治療を再開するきっかけをくれた友達の言葉をご紹介したいと思います。
≫≫≫【1泊2日】流産手術の体験談。手術当日の流れはどんな感じ?の続きのお話です。
不妊治療をおこなっていた時期は2015年~2018年の間です。
当時のことを思い出しながら書いていますが、結構前のことなので忘れていたり、記憶が間違っていることがあるかもしれません。どうぞご了承ください。
流産後、半年間不妊治療をお休み
流産手術後は、私も夫もなかなか気持ちを切り替えられなくて、不妊治療を再開できませんでした。
“また治療をして、妊娠できたとしても、再び流産したら…”
そんなマイナスな考えで頭がいっぱいでした。
短い間だったとしてもお腹の中にあった命を失った悲しみ、思い描いていた未来が一瞬にして崩れ去った悲しみ…。こんなに辛いことをまた経験するかもと思うと、怖くて前に進むことができませんでした。
また、私が前を向くことは、生まれることができなかった命を忘れることのような気がして、申し訳ないという罪悪感もありました。
この時は、数週間でも私のお腹の中にいてくれた赤ちゃんのことを、ずっと忘れずに思っていてあげたいという気持ちが強かったです。
夫も同じ考えだったようで、話し合った結果、お互いの気持ちが落ち着くまでは不妊治療はお休みすることにしました。
私達が治療を再開したのは2016年4月だったので、次に進むまでに半年間かかりました。
心が辛い時は立ち止まるのも大切
不妊治療をお休みしている時の私の心境は、“一刻も早く妊娠したい気持ち”と、“妊娠するのが怖い”という正反対の気持ちが入り混じっていてぐちゃぐちゃでした。
お休みすることがいいことなのか、自分がどうしたらいいのかが分からず、気持ちをコントロールするのが難しかったです。
でも、今思えば、半年間お休みして良かったと思っています。
夫は当時、私の落ち込みようがすごかったので、二人で落ち込んだら共倒れすると思い、普段通りに振舞ってくれていました。でも、本当はものすごく落ち込んでいたみたいで、何のきっかけで心がポキッと折れるか分からない状態だったそうです。
お互いがそんな状態の中、無理に治療をおこなっていたら、絶対に気持ちがぶつかり合って、イライラして、落ち込んで、もしかしたら夫婦関係が壊れていたかもしれません。
当時は自分のことでいっぱいいっぱいで冷静に周りを見ることができず、お休みをすることに焦ったり、不満もありました…。
順序は夫婦関係がベースで、その上での不妊治療なので、夫婦関係が破綻したら元も子もないですよね。
不妊治療は終わりが見えません。すぐに治療が終わる夫婦もいれば、長く続く夫婦もいます。
先が見えないという不安は心を蝕みます。
なので、夫婦のどちらかが辛い時は、一度立ち止まって心や体、生活を整える時間も大切だと思います。休む時間は、絶対に無駄な時間じゃありませんよ!
無理して友達と会わない
この頃、私は子どもがいる友達とはほとんど会わなくなりました。
理由は、羨ましくて嫉妬心が出てしまうからです。
極力避けていました。特に、子どもがいる家族と家族ぐるみで遊ぶとかは本当に嫌でした。
不妊治療とは無縁ですぐに子どもを授かって幸せそうに子育てをしている友達を見ると、大切な友達なのに笑い合えない。
特に、自分よりも遅くに結婚した友達の妊娠・出産報告は心から喜べないし、なんなら聞くのも嫌なくらい辛かったです。
どうしても、“私は子どもが授かれないのに、なんでだよ…”と悔しく思ってしまうから。
子どもがいる友達と会った時に「子育てが大変で~」という話を聞くと、“大変だろうと、子どもがいるんだから幸せじゃん。その大変さは子どもがいないと味わうこともできないんだから”と思ってしまう。
友達は真剣に子育てについて悩んでいるのに、私は嫉妬心を正当化するために“そんな悩み、私の不妊に比べたら幸せな悩みじゃん”と軽い悩みのように受け止めてしまっていました。
悩みに重いも軽いもないのにね。自分がどんどん嫌な人間になっていく。
これ以上、醜い自分になりたくない、大切な友達に嫉妬したくない、私の微妙な態度で相手を傷つけたくない…と思い、子育て中の友達とは連絡を取ったり会ったりするのをやめました。SNSも、子どものことばかり上げている友達のアカウントはなるべく見ないようにしていました。
私は出来た人間でも心が広い人間でもないので、自分が子どもが授かれなくて悩んでいる時に人の妊娠を喜んだり、子育て話を楽しく聞くことができませんでした。
でも、きっとこれって自然な感情ですよね。誰だって、自分が上手くいっていない時に上手くいっている人を見ると羨ましくなっちゃいます。
もし、友達の妊娠・出産を喜べないことを苦しく思っていたら、それは人として当たり前の感情だから、自分だけじゃないから大丈夫ですよ。
ちなみに、不妊治療中に私が会っていた友達は、幼稚園からの幼馴染(独身)と、私よりも前から不妊に悩んでいた友達の二人だけでした。
この二人には自分の醜い部分を見せても引かれないと思えるくらいの信頼関係があり、不妊治療のことも全部話すことができました。二人ともこんな私も受け入れてくれて、本音で付き合ってくれたので一緒にいるのがラクでした。
不妊治療中はストレスはよくないと言うので、一緒にいて辛くなる相手とは無理に会わなくて大丈夫ですよ!
流産後、前に進むきっかけになった友達の言葉
流産後、時間が経つにつれて徐々に悲しみに慣れてきて、日々の生活に追われる中で赤ちゃんのことを思う時間が減ってきました。その分、数週間に一度ズーンと気持ちが落ちる日が定期的に来る感じでした。
そんな中で不妊治療を再開しようかなと思い始めていた時に、背中を押してくれたのは友達の言葉でした。
その友達も不妊治療も流産も経験したことがあったので、私の心境を包み隠さず話しました。
その時に「赤ちゃんは、mikuがちゃんと妊娠ができるよって教えに来てくれたんだよ。優しい赤ちゃんだったんだね。」と言われ、衝撃を受けました。友達に言われるまで、そんな考えは思い付きもしませんでした。
私にはこの言葉がスッと入ってきて、「そっか。私はちゃんと妊娠ができるんだな。私がずっと妊娠できないことを不安に思っていたから、心配になって“大丈夫だよ”って教えに来てくれたんだね。ありがとう。」と素直に思えました。
時間の経過とこの言葉のおかげで、私は前に進むことができました。
赤ちゃんがお腹に来てくれたこと、生まれることができなかったことにはきっと意味があると思いたいですよね。
前を向くためにも、その意味を自分の都合よく捉えていいですよね。
続きは、≫≫≫不妊治療を再開!自己注射にステップアップへ。