今回は、胞状奇胎になった後、夫とこの先の人生のことを話し合った時のお互いの本音をご紹介したいと思います。
≫≫≫【胞状奇胎体験談】1回目の入院~手術~退院までのスケジュールの続きのお話です。
不妊治療をおこなっていた時期は2015年~2018年の間です。
当時のことを思い出しながら書いていますが、結構前のことなので忘れていたり、記憶が間違っていることがあるかもしれません。どうぞご了承ください。
夫と今後について話し合い
1回目の手術~2回目の手術の間、夫と今後のことについて真剣に話し合いました。
私の本音
私は、胞状奇胎という言葉が出てきてからずっと心の中で思っていたことがありました。
“もしも侵入奇胎になって治療をすることになったら、不妊治療の再開は何年も先になるんだよね。もしかしたら本当に、この先一生子どもを授かれないかもしれない”
“夫は私と別れて他の人と再婚した方がよっぽど早く自分の子どもを抱っこできるんじゃないかな。その方が夫にとっていいんじゃないかな”
“離婚か。イヤだな。辛いな。したくないな。夫と離れたくないな。でも、それは私の勝手な気持ちだから、夫の幸せを考えたら別れた方がいいんだろうな”
私は、夫は子どもを望んでいるので、子どもを授かれないかもしれない私とは別れて他の人と人生を歩んだ方がいいんじゃないかという考えに囚われていました。
本当は、胞状奇胎の前から、不妊治療をしていた時から心の奥底で思っていたんだと思います。
でも、この気持ちを口に出したら本当に夫婦関係が終わるかもしれないからなかなか言えなくて、考えないように心に蓋をしていました。
そんな中で胞状奇胎になってさすがに蓋ができなくなり、そろそろしっかりと現実と向き合わなきゃと思い、夫とお互いの気持ちや今後のことについて話し合うことにしました。
夫の気持ち
私は夫に、「私といたらこの先自分の赤ちゃんを抱っこできないかもしれないから、どうしても子どもがほしいなら私とは別れた方がいいんじゃないかなと思っている」と伝えました。
口ではそう言いながらも心では、
“これで「そうだね、離婚しよう」と言われたら、私は受け入れるしかないけど、本当に受け入れられるのかな?めちゃくちゃ後悔するんだろうな。私は一体、夫になんて言われたいんだろう?”
と思いながら言っていたので、話し合いの時ですら全然覚悟なんてできていませんでした。そりゃ無理だよ。好きで結婚しているんだから、簡単にこんな覚悟なんてできないよ。
私の気持ちを聞いた夫は、「子どもはほしいし、今まではいつか自分は親になると当たり前のように思っていたから子どもがいない人生はまだ受け止められないけど、だからって子どもができないから別れるというのは俺にとっては離婚の理由にはならないよ。子どもだってmikuとの子だからほしいんだよ。そうじゃないと意味がない」と言ってくれました。
私「後で後悔しない?」と聞くと、
夫「そんな先のことは分からないよ。もしかしたら後悔するかもしれないけど、それはその時にならないと分からないことじゃん。でも、離婚したら後悔するっていうことだけは今分かるよ」と。
これはきっと私がずっとほしかった言葉。それをそのまま言ってくれた夫。こんな出来損ないな私でも一番大切だと言ってもらえたようで、とても安心したし救われました。
将来プラン
今後についても、
夫「もし子どもができなかったら、その時は2人で人生を楽しめばいいじゃん。行ってみたい国がたくさんあるから海外旅行したり、いつか海外にも住んでみたいし。子どもがいたらかかる分のお金をそういう2人の時間に使って、自由に生きるのも楽しいんじゃない。いくらでも楽しむ方法はあるんだから大丈夫だよ」と。
私も夫の話を聞いて、「そうだね。そういう生き方も楽しそうだね!」と一つの選択肢として考えられるようになり、気持ちがスッと楽になりました。
私は今まで「不妊は自分のせいだ」と自分を卑下していたところがあったけど、“こんな私でも、この先もずっとこの人と一緒に生きていっていいんだな”と自信が持てました。
話し合いを経て、強くなった絆
夫と今後の夫婦の生き方についてしっかりと話し合えたことで、
“この先子どもができても、もしできなくても、一緒に生きていける”
と思えるくらい夫婦の絆が強くなりました。
不妊や胞状奇胎なんて本当はならないに越したことはないけど、もしなったことに意味を持たせるなら、この先何があっても夫と生きていきたいと思うくらい私達夫婦のあり方について考えられたことだと思います。
もし結婚して普通に妊娠していたら、きっと私達は30代前半でここまで夫婦の将来について考えることはなかったと思います。もちろん、ずっと二人で生きていく覚悟を持って結婚をしているけど、ここまで深くお互いのビジョンを聞いたり、先を見据えたことは考える機会がなかったんじゃないかな。
もしかしたら、生活していく中で性格が合わないって感じたり相手に対して理解できないところがあったら簡単に「もうこんなヤツとは一緒にいられない!離婚だ!」となっていたかもしれません。
でも、この話し合いを経て、
“イヤなことや理解できないことがあってもなるべく相手のことを分かる努力をしたい”
“妥協点を見つけて歩み寄りたい”
“夫婦で今を乗り越えられるなら、この先何があっても大丈夫”
と思うようになりました。
不妊治療を始めてイヤなことや辛いことばかりだったけど、無理やりプラスな面を見つけるとしたら夫婦の絆が強くなったことだけは良かったと思います。
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